2023年4月12日 更新

セキュリティエンジニアとは?仕事内容や求められる知識・スキルなど徹底解説

セキュリティエンジニアとは、情報セキュリティを専門とするエンジニアのこと。ITネットワークの広まりとともにセキュリティ強化が求められている今、セキュリティエンジニアの需要も高まっています。セキュリティエンジニアに関して、仕事内容や求められる知識・スキル、役立つ資格、やりがいなど、さまざまな観点から詳しく解説します。

セキュリティエンジニアとは

セキュリティエンジニアとは、情報セキュリティに関する業務を専門的に行うシステムエンジニアのことです。

ITシステムを導入する業界・企業の増加に伴い、サイバー攻撃に対処できる存在がより重要に。情報漏えいなどが発生すると企業への信頼が大きく揺らぐため、セキュリティ業務に特化したエンジニアであるセキュリティエンジニアに注目が集まるようになりました。

セキュリティエンジニアの仕事内容

セキュリティエンジニアの具体的な仕事内容を見ていきましょう。一般的には次のような流れで業務を進めていきます。

1. セキュリティシステムの企画・提案

クライアントのシステムに必要なセキュリティ対策の企画・提案を行います。ネットワークシステムについて脆弱な部分を見つけ、強化方法(セキュリティ機器の導入、不正アクセスの制御など)を考えます。

2. セキュリティシステムの設計

クライアントに提案し了承を得た内容で、セキュリティシステムを設計します。セキュリティシステムが正常に作動するよう、サーバーやネットワーク、アプリケーションなど幅広い機器・システムとの相性も考えながら綿密に設計を立てます。

3. セキュリティシステムの実装・テスト

設計が完了したらそれに基づき、セキュリティシステムを装備します。ネットワーク機器やOSの設定、プログラミングなどを行い、実装が済んだら運用の前にテストを実施。セキュリティシステムに穴がないか、疑似的なサイバー攻撃も行いながらチェックを進めます。

4. セキュリティシステムの運用・保守

セキュリティシステムの実装が完了したら運用・保守を行います。セキュリティシステムのアップデートや、サイバー攻撃を防ぐためのデータ取得・調査を実施しながら、常にシステムの状態を維持します。もしサイバー攻撃により障害が発生した場合、速やかに対処・復旧するのもセキュリティエンジニアの役割です。

セキュリティエンジニアに求められる知識・スキル

セキュリティ領域を一手に担うセキュリティエンジニアには、幅広い知識やスキルが求められます。セキュリティエンジニアに必要とされる知識・スキルの一例を紹介します。

情報セキュリティに関する知識・スキル

セキュリティエンジニアとして第一に必要なのは、情報セキュリティに関する専門的な知識・スキルです。OS・アプリケーション・ネットワークなど、さまざまな対象へのセキュリティ対策の精通が求められます。こういった知識・スキルは、システムを利用する従業員のセキュリティ意識向上を促すためにも役立つでしょう。

プログラミングスキル

セキュリティシステムの実装段階でプログラミングを行うことも多いため、プログラミングスキルは必須です。セキュリティに関するものはセキュアプログラミングと呼ばれ、PHP・C言語・Javascriptなどのプログラミング言語が特によく使われます。

セキュリティ関連の法律の知識

セキュリティエンジニアとして、セキュリティやネットワークに関する法律の知識も身に付けておきたいものです。セキュリティには法的なルールが多数あり、法を遵守したセキュリティを施す必要があります。

セキュリティエンジニアの仕事に役立つ資格

セキュリティエンジニアは資格職ではありませんが、取得する過程で知識やスキルが身に付き、業務にプラスとなる資格は存在します。セキュリティエンジニアの仕事に役立つ資格を押さえておきましょう。

基本情報技術者試験・応用情報技術者試験

IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)が主催する国家資格。IT系エンジニアの登竜門のような資格で、システムエンジニアに幅広く求められる基礎知識、応用的な知識を問う内容です。セキュリティ分野に特化する資格ではありませんが、ITエンジニアとして働くためのベースとなるでしょう。

シスコ技術者認定

世界最大のネットワーク機器開発メーカー、シスコシステムズが主催する、ネットワークに関する知識を問う試験です。エントリー・アソシエイト・スペシャリスト・プロフェッショナル・エキスパートと5つのグレードがあり、スキルの習熟度によって選択できます。

民間資格ではありますが、シスコは世界的なシェア・知名度を誇っており、この資格も国内外で通用します。

情報処理安全確保支援士

こちらもIPAが主催しているもので、情報セキュリティに関する資格の中で最難関と言われています。取得するには高度な知識・スキルを備えている必要があるため、ある程度セキュリティエンジニアとしての経験を積み重ねてからのチャレンジがおすすめです。取得は簡単ではありませんが、持っていれば転職時のアピールにも役立ちます。

セキュリティエンジニアに向いている人

セキュリティエンジニアに向いている人には、いくつかの特徴があります。次のような人は、セキュリティエンジニアとして活躍できる素質を持っていると言えるでしょう。

ロジカルな思考で課題解決に優れている人

セキュリティ対策は、さまざまな仮説を立てながら課題を見つけ、その課題を解決するための方法を探し実行していく仕事です。そのため、筋道を立てて物事を考えられるロジカルな人や、課題解決力に優れている人はセキュリティエンジニアの適性があると言えます。  

向上心があり自己研鑚が苦にならない人

向上心が強い人、勉強し自分を高めることが苦にならない人はセキュリティエンジニアに向いています。IT分野は日々進化し続けているため、自己研鑚を怠ると自分の知識やスキルが、あっという間に古いものになってしまいます。セキュリティエンジニアとして第一線で活躍するためには、常に最新の知識・スキルを駆使できるよう学び続ける必要があるでしょう。

臨機応変な対応が得意な人

セキュリティエンジニアは、システムが突然サイバー攻撃を受けたときにも焦らず、冷静に対処しなければなりません。そのため、万が一のときに臨機応変に対応できる人も、セキュリティエンジニアの適性があると言えるでしょう。

セキュリティエンジニアのやりがい

セキュリティエンジニアの仕事はシステムの安全性に直結する、やりがいのある仕事です。昨今では、ネットワークシステムの広まりとともにセキュリティの重要性も高まっているため、社会から求められているという実感も得られるでしょう。また情報セキュリティのプロフェッショナルとして、多様な知識・スキルを身に付けられることもやりがいの1つです。

セキュリティエンジニアはIT社会の安全性を守る存在

セキュリティエンジニアはIT社会を支えネットワークの安全性を守る、やりがいに溢れた職種です。必要な知識・スキルをしっかりと身に付ければ、未経験からでも目指すことが可能です。セキュリティエンジニアについてより深く知り、将来の選択肢の1つとして検討してみてはいかがでしょうか。

※記載の情報は、2023年4月時点の内容です。

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