2022年4月25日 更新

チームビルディングの目的とは?チームのパフォーマンスを向上させる手法を学ぼう

チームビルディングとは、目標達成に向けてメンバーの能力やスキルなどを最大限に発揮させる取り組みです。チームビルディングを取り入れることで、チームパフォーマンスの向上などが期待できます。本記事では、チームビルディングの基礎知識や取り入れる際のポイントを解説。チームビルディングの手法と具体事例もあわせて紹介します。

チームビルディングとは

チームビルディング(Team Building)とは、メンバーのスキルや能力、経験を最大限に引き出しながらチームを構築する取り組みです。

多様な人材が集まる企業では、それぞれの能力やスキルを上手く活用し、目標達成を目指すことが大切。お互いが力を十分に発揮できるチーム作りを行うために、研修やワーク、プログラム、コミュニケーションといった手法が用いられます。

チームビルディングの目的

チームビルディングを行う目的として、チームパフォーマンスの向上やメンバーの関係性の強化、チームのマインドセットなどが挙げられます。これらを詳しく見ていきましょう。

チームパフォーマンスを向上させる

目標のひとつとして挙げられるのが、チームのパフォーマンス向上です。チームビルディングの実施によりプロセスが可視化され、メンバーの相互理解が進むため、チームの結束が強まります。

また目標や各メンバーの役割が明確化され、個々の能力やスキルが発揮しやすくなるのも特徴です。これらのことから目標達成率が上がり、チームパフォーマンスの向上につながります。

チームメンバーの関係を強化する

関係が構築されていないチームは業務効率が上がらず、良いアイディアも生まれにくい傾向があります。しかし、チームビルディングによりコミュニケーションが活発になると、チームメンバーの関係性も強化されます。お互いの役割や能力も把握できるため、効率的な方法での業務遂行が可能です。

チームのマインドセットを形成する

目標を達成するには、チームメンバーのマインドセットを形成することも大切です。マインドセットとは、個々の思考や行動パターン、思い込みなど固定化された考え方のこと。企業や組織においては、戦略やビジョン、経営方針などによって形成されます。

チームビルディングによりチームに一体感が生まれると、「このチームで目標を達成したい」というマインドセットを形成できます。

チームビルディングの5段階プロセス「タックマンモデル」

チームの現状や方向性を把握するために使われるのが「タックマンモデル」と呼ばれるプロセスです。チームビルディングにも役立つのでチェックしておきましょう。

<タックマンモデルの5段階プロセス>


  1. 形成期
  2. チームが形成されたばかりの段階です。リーダーが主導して課題を見つけます。


  3. 混乱期
  4. メンバー同士で意見の対立が起こる時期です。議論を交わし相互理解を深めることが重要です。


  5. 統一期
  6. チームが安定した時期に入ります。メンバーの特徴を活かした役割分担や目標設定を行います。


  7. 機能期
  8. チームが機能している時期です。リーダーは各メンバーをサポートし、アクティビティを実施してチームワークを高めましょう。


  9. 散会期
  10. チーム活動の終了です。お互いに称賛し合う光景が見られれば、チームビルディングは成功と言えるでしょう。


チームビルディングに取り組む際のポイント

チームのパフォーマンスを発揮するためには、ビジョンの明確化や人材配置、価値観の共有といったポイントを押さえておくことが重要です。

チームビジョンを明確化する

チームを上手く機能させるには、ビジョンを明確にしておく必要があります。チームビジョンが明確化されていないと、目標が定まらずやるべきことが見えてきません。以下の5W1Hを意識してチームビジョンを設定してみましょう。


  1. 目的は何か(What)

  2. なぜやるのか(Why)

  3. チームメンバーは誰か(Who)

  4. どこでやるのか(Where)

  5. いつまで(When)

  6. どんなプロセスで(How)

適切な人材配置をする

チームをマネジメントするリーダーは、各メンバーがパフォーマンスを発揮できるよう、適切な人材配置や仕事の振り分けをする必要があります。ひとつの目標へ向かってチームで取り組む際、一人ひとりの役割が具体的に決まっていると動きやすくなります。

多様な価値観を認め合う環境を作る

チームの団結力を高めるには、お互いの価値観を認め合うことも大切。メンバーはそれぞれ、さまざまな価値観を持っています。そのため、チーム内でのコミュニケーションが活発化する環境を作り、お互いの価値観や考え方を理解しましょう。

パフォーマンスを向上させるチームビルディングの手法

チームビルディングでは、メンバーのパフォーマンスを発揮させるためのさまざまな手法が取り入れられています。チームビルディングの手法をいくつか見ていきましょう。

ゲームを取り入れる

チームが結成されたばかりの形成期におすすめなのが、気軽に取り組めるゲームです。ゲームを通して緊張を解きほぐせるので、メンバー同士の積極的なコミュニケーションが増えるでしょう。ゲーム内で役割分担や時間配分を決めたり、交渉が必要な内容を取り入れたりすることで、戦略的思考も養われます。

アクティビティを実施する

チームワークを高めるために、スポーツやイベントなどチーム全員で行うアクティビティを取り入れてみましょう。仕事から離れたアクティビティを一緒にすることで、コミュニケーションが活発になり、チームワークも生まれやすくなります。

ワークショップを開催する

メンバーの主体性を高めたい場合は、ワークショップも効果的です。ビジネスの課題解決をテーマとしたワークショップを開催すれば、アイディアを出し合うこともできます。議論や試行錯誤をしながら成果を出す経験を共有できるため、主体性に加え、チームのパフォーマンスを高めることにもつながるでしょう。

チームビルディングの具体事例

最後に、実際にチームビルディングで活用されているゲームやアクティビティ、ワークショップの具体事例を紹介します。    

1. チームの一体感の醸成に「マシュマロチャレンジ」

「マシュマロチャレンジ」は、限られた時間と素材でどれだけ高い目標を達成できるかを競うゲームです。チームの一体感を醸成するのに役立ちます。マシュマロ・乾燥パスタ・テープ・紐を使い、制限時間内に最も高いタワーを作ったチームが勝ちというルール。

高いタワーを立てるには、役割分担を行い試行錯誤しながらチーム全体で方向性を決める必要があるため、チーム内に一体感が生まれます。

2. チームワークの向上に「脱出ゲーム」

チームワークの向上を目的としたアクティビティにおすすめなのが「脱出ゲーム」です。例えば、「紙に書かれた謎を解き、鍵を使って制限時間内に会議室などの密室から脱出する」など、会社ごとにオリジナルの設定が可能です。メンバー同士のコミュニケーションが活発になるため、チームワークの向上に役立ちます。

3. オンラインワークショップに「チェックイン」

「チェックイン」は、メンバー同士が率直に今の自分の気持ちを発表し合う、簡単なワークショップです。研修前などに「緊張している」「研修する意味が分からない」など、ネガティブな感情も含めて素直に発信し合うことで、心理的安心感を得られる効果があるといわれています。1人数秒で終わり、準備する物もほとんどないため、オンラインでのリモートワークを取り入れている企業にもおすすめです。

チームビルディングでチームのパフォーマンスを向上させよう

チームビルディングを取り入れることで、お互いの役割や価値観の理解が進み、チームとしての結束が強くなります。その結果、目標も効率的に達成できるようになるでしょう。チームのパフォーマンスを向上させるために、ぜひチームビルディングを活用してみてください。

※記載の情報は、2022年4月時点の内容です。

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