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アクティブラーニングとは?メリットと取り入れ方を学び人材育成に役立てよう
アクティブラーニング
人材育成
2023年11月29日 更新
アクティブラーニングとは?メリットと取り入れ方を学び人材育成に役立てよう
アクティブラーニングとは、受講者が能動的に参加する学習方法のこと。もともとは教育現場で注目されていたものですが、企業研修にも有効であるとして導入する企業が増えています。アクティブラーニングの意味や注目される背景、企業が導入するメリットと実践例、導入する際のポイントを紹介します。
企業が注目するアクティブラーニングとは
受講者同士で意見交換などを行い、能動的に学んでいく学習方法がアクティブラーニングです。近年では、企業の人材育成にも役立つとして注目されています。まずはアクティブラーニングの意味や種類、注目される背景を解説します。
アクティブラーニングとは
アクティブラーニングとは、受講者が主体となり能動的に学ぶことを指します。従来、学校教育や企業の研修では、講師が一方的に知識を提供し、受講者が受動的に習得する座学形式が一般的でした。一方アクティブラーニングでは、受講者は単に出席すれば良いわけではなく、知識の習得と実践を行い、積極的に参加することが求められます。
従来の座学研修とアクティブラーニングとの違いは、受講者同士の意見の交換や、助け合いなどの体験が生まれる点。講師は知識を与えるだけではなく、「◯◯についてはどう思う?」など気づきを与えるのが大きな役割です。
アクティブラーニングの種類
アクティブラーニングの形態にはさまざまな種類があります。主な例を見ていきましょう。
フィールドリサーチ
現場で調査や仕事を体験する
グループディスカッション
議題に対してグループで結論を出す
ディベート研修
自分の意見を的確に伝える技術を学ぶ
ケースメソッド
架空の状況の当事者になったと仮定して行動を考える
アクティブラーニングに注目する企業が増えている理由
変化のスピードが加速する現代社会では、受動的な教育だけでは変化についていけない人材が増えることが懸念されます。さらに少子高齢化社会で労働人口の減少が問題となり、従業員1人1人の生産性の向上はより重要な課題となっています。
今の日本に求められるのは、誰かの指示によって動くのではなく、主体的に考えて周りの人と連携を取りながら課題を解決していける人材です。アクティブラーニングを活用することで、自発的に情報を取り入れる意識が芽生えることに加え、従業員のコミュニケーション能力や問題解決能力・生産性の向上に役立つと期待されています。
企業がアクティブラーニングを導入するメリット
座学研修よりも知識が深めやすく、業務でも必要なさまざまなスキルが身につけられるのがアクティブラーニングの強み。企業におけるメリットを紹介します。
知識が定着しやすくなる
知識を定着させるためには、インプットだけではなくアウトプットも必要です。受講者自らの情報発信が求められるグループディスカッションなどを行うと、インプットのみの座学研修よりも高い学習効果が得られると言われています。限られた研修時間の中で理解を深めるには、アクティブラーニングが効果的な手段となるでしょう。
主体性と協調性が身につく
講師はあくまでサポート役です。受講者は、自分が主体となって学んでいくアクティブラーニングを通して、業務においても自発的に取り組む姿勢を育めます。グループでの研修は受講者同士の協力も必要となるため、従業員の協調性やリーダーシップを養うことにも役立つでしょう。
発想力や創造力を高める
アクティブラーニングでは、正解のないテーマについて深く考察する機会が多く出てきます。自分なりの答えやアイディアを整理してアウトプットしたり、受講者同士で意見交換をしたりするなかで、自分にはなかった視点や考え方に触れ、新たなアイディアに出会えるかもしれません。そういった経験を重ねることで発想力や想像力が高まり、イノベーションを生み出す下地が強化されます。
コミュニケーション能力が大きく伸びる
ともに学び、ときには意見をぶつけ合う経験を繰り返すことで、自分の意見を伝える力、相手の話を聞く力、チームの意見をまとめる力、議論を活性化させる質問力などが大きく伸ばせます。コミュニケーション能力はどんな職種でも必要となるスキルのため、アクティブラーニングを通して訓練を積むことは非常に重要と言えます。
企業研修で活用できるアクティブラーニングの手法と実践例
アクティブラーニングを効果的に実践するには、具体的な手法を知っておくと役立ちます。企業研修に取り入れやすい手法と実践例を紹介します。
ケースメソッド
ケースメソッドとは、実際に自社などで起こった事例(ケース)をもとに、問題の分析などを行い解決策について議論を行う研修です。問題に対する多角的な視点や、意見をわかりやすく伝える力などが養われます。議論をするにはある程度の知識が必要なため、中堅層以上の従業員研修で活用するのがおすすめです。
<実践例>
事例について受講者各自で意見をまとめる
数人のチームに分け、チームごとに討議を行い意見をまとめる
代表者がチームの意見を全体に発表し、講師がとりまとめる
Think-Pair-Share
Think-Pair-Shareとは、受講者同士でお題に対する意見を比較し、議論を深めていく研修です。自分の意見ばかりを主張せず、他者の意見を聞く柔軟性が求められます。
<実践例>
講師がお題を提示する
受講者各自でお題について考える時間を数分とる
2人1組になり、お互いの意見を交換する
ペアで意見が異なる場合は、そのような考えに至った理由まで深掘りして意見をまとめる
ペアの意見を全体に発表する
ジグソー法
ジグソー法とは、グループのメンバーにそれぞれ異なる役割を与え、メンバー同士で自分のテーマについて教え合い協力して課題解決を目指す研修です。各メンバーがジグソーパズルのピースとなり、組み合わせることで全体像を明確にするイメージを持つと良いでしょう。テーマに対する理解力と、要点をまとめて他者にわかりやすく伝える力が試されます。
<実践例>
全体を4人程度のグループに分け、グループの人数分の学習テーマを用意する
グループ内で各メンバーに異なる学習テーマを割り振る
学習テーマ別にメンバーが集まり、テーマについての理解を深めるとともにアウトプットする方法を話し合う
元のグループに戻り、それぞれ自分が担当するテーマについてメンバーに教え合い、課題の解決策をまとめる
企業研修でアクティブラーニングを成功させるポイント
アクティブラーニングを成功させるには、研修のゴールや研修後のことまで考えて実践するのがコツです。企業研修で導入する際のポイントをチェックしておきましょう。
ゴールを明確に定めて共有する
研修を有意義なものにするには、研修の目的やゴールを明確に定め、参加者に共有することが重要です。ゴールを意識すると、内容がブレずに実りある議論を交せます。また、目的やゴールが定まっていると、「今回の研修にはどんな手法が適しているか」も考えやすくなるでしょう。
現場で活かせる工夫を施す
学んだ知識や身につけたスキルをそのままにせず、現場で活かすことが研修の大きな目的です。研修を受けている段階から、参加者に「現場でどう活かすか」を考えるよう声をかけ、研修後には学んだ内容を今後どのように実践していくか落とし込む時間を作ると効果的です。研修で扱う課題や事例を日常業務の中からピックアップするのも有効です。
アクティブラーニングとは変化に対応できる人材を育てる手段
アクティブラーニングはテーマについての理解を深めやすいだけではなく、現代社会で必要とされる自発性や問題解決能力、コミュニケーション能力などを養うのにも有効な手段です。学んだ内容を業務に活かしていくことで、生産性の向上も見込めるでしょう。人材育成の1つの方法として検討してみてください。
※記載の情報は、2023年12月時点の内容です。
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