2023年8月18日 更新

データドリブンとは?注目されている理由と実現プロセスを解説

データドリブンとは、勘や経験に頼らず、収集したデータをもとに施策や問題解決をする方法のこと。最近はデータ収集の技術が発展したため、多くの企業から注目されているのです。本記事では、データドリブンとは何か、注目されている理由、実現のためのプロセス、実際に取り入れている企業の事例、取り組むときの注意点を解説します。

データドリブンとは

データドリブンとは、勘や経験だけではなく、売上データやWeb解析データなど、蓄積されたデータから課題解決やビジネスの意思決定を行う方法です。

データに基づくマーケティングは以前から行われてきましたが、昨今はとくに情報化社会の進展が著しく、ビッグデータの可視化や顧客行動の複雑化により価値が高まっています。そのためデータドリブンを取り入れる企業が増えているのです。

データドリブンが注目されている理由

昨今、データドリブンがビジネスで注目されている理由が、消費者の多様化やデータ収集技術の発展です。実際に集めたデータをもとに施策を打つため、無駄な施策を打つのを避けることにもつながります。ここでは、データドリブンが注目されている理由について詳しく見ていきましょう。

情報収集のツールが増えたから

昨今はテクノロジーの進歩により多くのデータを収集しやすくなりました。その集めたデータを意思決定や経営にいかす考え方が注目されているのです。

マーケティング領域では、顧客との接点が可視化できるツールが増えています。また、口コミやSNSから得られる顧客の声を、大量に収集できるようになったのも理由のひとつでしょう。

施策費用を抑えられるから

従来のマーケティングであれば、施策を打つのにコストがかかります。しかしデータドリブンを活用することで、無鉄砲に施策を打つ必要がなくなり、費用対効果を大幅に改善できるのです。

顧客の行動も多様化しているため、マスメディアマーケティングや他社の取り組みをやみくもに適用しても上手くいきません。無駄な施策に費用を使わないためにも、対象市場に集中して顧客のデータを収集・分析し、最適なマーケティング戦略を見つけることが重要になるのです。

顧客の多様化が進んでいるから

顧客の多様化が進んでいる現在、これまでの経験や勘に頼った判断がより難しくなってきています。そのため、実際のデータとそれに基づいた判断が必要とされているのです。

データをもとに判断すれば、変化する顧客へ合わせるための施策を考えたり費用を使ったりするリスクを軽減させることもできます。

データドリブンを取り入れた事例

データドリブンを取り入れている企業はどのようにデータを収集し、サービスに反映しているのでしょうか。つぎは、データドリブンを取り入れている企業の事例を紹介します。

購入者の年齢層を広げる商品開発に使用された例

ある食品は60歳以上の購入者が少なかったため、集めたデータをもとに60歳以上の食事に注目。ターゲットである60歳以上のなかでも、とくにアクティブな人が発信している食事の情報を分析し、好みに合わせた商品を開発。その結果、60歳以上の購入者が増加し、商品の販売開始から7ヶ月で140万食以上の売上を達成したのです。

テーマパークの行動データを収集した例

テーマパークで利用者の行動データを取り、グッズの販促やリピーターの獲得につなげている例があります。利用者のSNSへの写真投稿や、施設内でセンサーを使用した顧客の行動データ収集を行いました。

顧客がどのように施設内を歩いているかを集め、それをもとにしたコンテンツをホームページに作成。また、顧客の動きをもとにグッズ売り場や販促の時間帯を絞り込む指標にしました。顧客の行動データから新しいサービスを考え提供し、リピーターの獲得につなげたのです。

地域ごとの回線速度の改善を行った例

通信系サービスで、回線速度の改善にデータドリブンが使われた例もあります。地域ごとに安定した通信状況を提供できるよう、自社・他社のデータを収集。接続率の改善にデータが活用されました。

データドリブンを実現するプロセス

データドリブンを実現するにはデータを集めて可視化し、分改と改善点を見つけ、それをもとに施策を打つのがプロセスです。このプロセスを詳しく見ていきましょう。

①データを集める

まずはデータを集めるためのツールを導入します。何をもとにデータを集めるかは、企業によって異なります。意味のないデータを集めても使えないため、何を集めるのかを明確にしておきましょう。

データを集める目的まで考えておくのがおすすめです。「顧客の年齢層や職業を知ってニーズに合う商品を開発したい」「利用者の地域を知り広告配信の参考にしたい」といった例があります。

②集めたデータを可視化する

データが集まったら、比較・分析しやすいように可視化していきます。この際、集めたデータを見える化するツールも導入しましょう。集計し見える化する作業は、手作業だと時間がとられてしまい、人件費もかかってしまいます。

大量のデータを集めて見える化するBI(ビジネスインテリジェンス)ツールや、Webの解析ツールがおすすめです。

③データの分析を施策や改善点を考える

可視化したデータの関連性を分析し、必要な情報を導き出し課題や次の施策のプランを設定します。データの分析やプラン策定はスキルのない人にとって難しいため、データサイエンティスト、アナリスト、データアーティストといった知識のある人材が必要とされます。

④分析したデータから施策を実行する

収集したデータから具体的な施策をたて、実行していきます。施策を実行したら再びデータを集めて可視化、分析をし改善していくのを繰り返していきましょう。

社内でデータドリブンへの理解が薄い場合は、実行が計画通りに進まない可能性があります。施策をスムーズに実施するためにも、組織全体を統率できる人材の配置や企業全体への周知、他部署との協力体制の構築も必要です。

データドリブンの注意点

データドリブンを始める前に注意しておきたいのは、人材育成と正しいデータの管理です。収集したデータを有効活用するためにも、このふたつを前もっておさえておきましょう。

データを有効に活用できる人材が必要である

データドリブンで効果的な分析をするには、明確な目標が必要になります。適切なシステムやツールを使用するため、目的が不明確なのはNG。

チーム全体がデータドリブンの意図を理解しないと、十分なデータ分析は難しいです。また、スピーディーな進行も重要になります。市場やユーザーニーズは常に変化しているため、追いつかなくてはいけません。スムーズに的確な対応ができるよう、人材育成をする必要があります。

データの管理が必要である

データがサイロ化しないためにも、データの管理が必要です。サイロ化とは社内データの保管先が分散し、システム間・部門間のデータ連携が行われない状態のこと。サイロ化されたデータでは、本質を得られなかったり、管理コストも増大したりなど非効率な状況となります。

システム間・部門間で綺麗にデータを連動させ、サイロ化を防ぐ必要があります。また「今あるデータで何とかできないか」という考え方は危険です。成果が出ないだけでなく、業務効率も低下してしまいます。

正しい結果を得るためにも目標や目的、課題、仮説を明確にし、サイロ化しないシステムを構築しましょう。必要なツールやデータを明確にしたうえで、環境を整え管理していくことが必要となります。

データドリブンを実行し効果駅な施策や改善点を見つけよう

データドリブンは、収集したデータを活用して改善点や次の施策を考え、実行する手法です。顧客の多様化に対応し、無駄な施策を避けることでマーケティングコストを削減できます。支援ツールや人材育成のコンサルティングを利用して、より効果的なデータドリブンを実現しましょう。

※記載の情報は、2023年8月時点の内容です

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