2023年5月12日 更新

「MOOC(ムーク)」で大学レベルの学習が可能!メリット・デメリットは?

MOOC(ムーク)とは、オンライン上で受けられる大学レベルの講座のこと、またはその仕組みを指します。国内外・学習分野にかかわらず、誰でも気軽に受講できるのが魅力です。日本でも、リカレント教育の一環として利用され始めました。本記事では、そんなMOOCのメリット・デメリット、導入してきた大学、代表的なプラットフォームなどを解説します。

「MOOC(ムーク)」とは?

大学の講座を手軽に受けられるとして反響を呼んでいる「MOOC(ムーク)」。まずはMOOCの定義、注目されている理由を紐解いていきましょう。

定義

「Massive open online course」ことMOOCとは、教育機関(主に大学)によるオンライン講座です。インターネット上で受けられる、その仕組み自体を指す場合もあります。

MOOCの始まりは2008年、アメリカでのこと。現在ではあらゆる国の教育機関が導入し、世界的に広まっています。日本での認知度はまだまだ低いものの、徐々に広まりつつある現状です。

注目されている理由

MOOCは、受講者側だけではなく教育機関側までもが注目しています。

MOOCの講座は誰でも、どこにいても受講できるといった手軽さがあり、受講者にとってはハードルが低いのが特徴です。そして提供者としては、今までハードルが高いと感じていたターゲットも獲得できるようになり、利益向上が期待できます。また、国内外にかかわらず学校のブランド力を上げられるのも魅力です。

まだサービスが開始されてから年月は浅く課題もありますが、今までの教育の場になかった可能性を、今後も引き出してくれるでしょう。

MOOCのメリット

注目されている理由でも記載した通り、MOOCは「受講の手軽さ」が大きなメリットです。ここでは具体的なメリットを解説します。

1. 受講者・場所を選ばない

MOOCを受けるための入試はなく、インターネットを利用する環境を確保できる人であれば誰でも、どこでも受けられます。条件が設けられている講座は一部あるものの、基本的にはどんな人でも受講が可能です。

2. コスパが良い

MOOCは無料で実施している場合がほとんどです。有料の講座ももちろんありますが、大学の学費に比べればコスパは断然良いもの。経済的な問題で大学に進学できなかった人や、稼ぎが少ないけれどスキルアップのために学びたい社会人にとっても、受講のハードルが低くなります。

3. あらゆるジャンルの講座を受けられる

MOOCの導入は、いろいろな学習分野において広まっています。例えば、Excel関数などのビジネスに欠かせない基礎スキルを磨ける講座、健康問題をテーマにした講座、ピアノの演奏講座など。

受講条件が設けられている場合もないわけではありませんが、無条件で参加できるMOOCが一般的です。大学に入学することなく興味のある分野を気軽に学べるのは、大きなメリットと言えます。

4. 海外の講座を母国で受けられる

受けられるのは自国で実施されるMOOCだけではありません。海外のMOOCもいつでも受講できます。

配信中の動画に字幕を付ければ、解説者の言葉がわからなくても学ぶことが可能。言葉の壁がネックで海外の知識・スキルを習得できない人にとっても嬉しい話です。段階を踏んで字幕を消し、ついでに語学力を鍛えることもできます。

MOOCのデメリット

たくさんのメリットを持つMOOCですが、まだまだ課題を抱えています。多くの人が感じているデメリットを見ていきましょう。

1. 互いに高め合える存在がいない

オンライン講座である以上、同じ空間に自分以外の受講者がいないため、従来の講座のように周囲の学習意欲がある人に影響を受けて意欲が沸くことはありません。人にもよりますが、高め合える存在がいないという状況は、真剣に勉学に励みたい人にとっては案外デメリットになり得ます。

2. 手軽すぎて続かない

どこでも誰でも、無料で受講できる手軽なMOOCであるからこそ、継続して受講しない可能性があります。

「受講料を支払ったのだから」「入学した今しか学べないのだから」といった使命感のような感情は沸きづらいもの。また専門性の高い内容の講座を素人が受けると、ハードルの高さに初回から嫌気がさすケースもあります。実際、これらの理由から途中で受講を辞める人は少なくありません。

3. 学位を取得できない場合がほとんど

残念ながら、現在MOOCでは学位の取得は叶いません。修了証を発行している大学もありますが、それもまだまだ一部。今後どうなっていくかは未知数ですが、現時点で学位が欲しいのなら、正式な入学を検討する方が良いでしょう。

MOOCを導入した大学例

MOOCは世界的に広まってきており、多くの大学が実施しているところです。続いては、MOOCを導入している日本・海外の大学をいくつか紹介します。

日本国内にある大学

日本ではまだ広まりきれてはいないものの、MOOCを導入する大学はいくつか存在します。


  • 東京大学:全19コース。「インタラクティブ・ティーチング」という、教育者すべてにかかわるコンテンツなどを実施

  • 立命館大学:立命館オンラインセミナーを開講。受講後にレポート・テストを提出すると修了証が発行される

  • 東北大学:世界最先端の研究と、地域独自の教育について配信。理系・文系の講義がある

  • 京都大学:edXに加盟し、約800もの講義を実施してきた。修了条件をクリアすれば修了証も発行される


海外にある大学

海外の有名な大学の講座もMOOCで受講可能です。代表的なのは以下のような大学が挙げられます。


  • ハーバード大学(アメリカ):MOOCプラットフォームの一つ、edXの設立に関わった。数学や物理、金融など広範囲の分野の講座を実施

  • フローニンゲン大学(オランダ):Future Learnというプラットフォームで精神的健康問題についての講座を実施するなど。

  • 中央音楽学院(中国):ピアノの基礎的な演奏方法について配信。 初心者から学びやすい曲から練習していけたと評判に。


MOOCの代表的なプラットフォーム

あらゆる大学のオンライン講座を扱うプラットフォームは複数あり、人気のものは既に数千講座扱ってきました。最後に、MOOCの代表的なプラットフォームを4つ紹介します。

JMOOC

日本最大級の無料オンライン講座サービス「JMOOC」。講座内容はさまざまで、学生向けのものから社会人、高齢者向けのものまであります。

2019年時点で受講者は100万人以上に、現在では149万人にもなりました。講義数は560講座と、年々増えています。

Coursera(コーセラ)

「Coursera(コーセラ)」では、東京大学やスタンフォード大学などの名門大学の他、世界の代表的な企業であるGoogleやIBMなどが発信する講座も受けられます。英語での解説がほとんどですが、字幕を付けられるため気軽に受講できます。世界の高度な知識・スキルを習得するのにおすすめです。

edX(エデックス)

マサチューセッツ工科大学、ハーバード大学によって創られた「edX(エデックス)」では、あらゆる分野の講座を提供しています。世界中にいる学生が気軽に学べる無料の講座も。2019年10月時点で既に2,400講座を記録し、受講者は2,000万人だったとのことです。

Udacity(ユダシティ)

コンピュータサイエンスの分野に特化しているのが「Udacity(ユダシティ)」。実際に世界の最前線で活躍するIT企業の社員が解説する講座まで扱っており、実践的な知識・スキルが学べるのが魅力です。

修了した受講者の7割を昇進につなげた実績もあるプラットフォームなので、IT関係の企業で、キャリアアップやスキルアップを目指す人に向いています。

MOOCは学びのハードルを下げてくれる存在に

MOOCならば、誰でも多義にわたる分野の講座に参加できます。コスパが良く、金銭的に大学に通う余裕がない人でも気軽に学べるのも魅力です。現状、学位の取得はできませんが、自分の知識やスキルの向上に大いに役立ちます。学生はもちろん、社会人から高齢者も、気になる講座に参加してみてはいかがでしょうか。

※記載の情報は、2023年5月時点の内容です。

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