2023年4月12日 更新

ノンバーバルコミュニケーションは言葉より重要?その種類や効果とは

ノンバーバル(非言語)コミュニケーションとは、言語以外を用いて行う意思疎通のこと。コミュニケーションの際、言葉(言語情報)よりも言葉以外(非言語情報)の視覚情報や聴覚情報といった要素の方が大きな影響を与えると言われています。本記事では、ノンバーバルコミュニケーションの重要性や種類、効果について解説。メタバースにおけるノンバーバルコミュニケーションの重要性も紹介します。

ノンバーバルコミュニケーションとは

ノンバーバルには「言葉を用いない」「非言語的な」という意味があります。ノンバーバルコミュニケーションとは、言葉以外で行うコミュニケーションのことで、非言語コミュニケーションとも呼ばれます。

<非言語コミュニケーションの例>


  • 表情・身振り手振りなどのしぐさ

  • 身体的特徴

  • 声のトーンやリズム

  • 対人距離

  • 服装・持ち物

  • 家具・照明などの環境


ノンバーバルコミュニケーションの重要性

他者とのコミュニケーションにおいて、非言語からくる情報は相手に大きな影響を与えるため非常に重要です。アメリカの心理学者アルバート・メラビアンが発表した「メラビアンの法則」を見れば、ノンバーバルコミュニケーションの重要性がよくわかります。

この法則は、話し手から受け取るすべての情報を100%と仮定した場合、言語情報はわずか7%で、残りの93%は非言語情報であるというもの。非言語情報の内訳を見ると、聴覚情報が38%、視覚情報が55%ほど相手に影響を与えているとされています。

ノンバーバルコミュニケーションの種類

ノンバーバルコミュニケーションは、視覚的・聴覚的・身体的の3つの要素に分けられます。それぞれを詳しく解説します。

視覚的要素

視覚的要素とは、表情・顔色・体型・髪型・服装といった見た目に関わるもの。対面でコミュニケーションを取る場合、視覚から入る情報は非常に大きい影響を与えます。

聴覚的要素

聴覚的要素は、声質・声の大きさ・声のトーン・話し方のテンポなど声に関するもの。視覚的要素に次いで相手に大きな影響を与える要素です。声を通して相手と話しをするため、言語コミュニケーションと相互に作用しますが、与える影響は言語情報よりも大きいと言えます。

身体感覚的要素

身体感覚的要素には、身振り手振り・立っているときや座っているときの姿勢(腕組み・足組みなど)・呼吸の深さなどがあります。これらはボディランゲージとも呼び、共通言語がない相手ともコミュニケーションを取りやすいという特徴があります。

ノンバーバルコミュニケーションの効果

ノンバーバルコミュニケーションは、言葉の補完や信頼関係の構築、相手への理解において効果があるとされています。それぞれを詳しくみていきましょう。

言葉を補完できる

言葉だけでは伝わらない気持ちを、ノンバーバルコミュニケーションで補うことができます。例えば会議でのプレゼンの際、身振り手振りを入れてハキハキとゆっくり話せば、相手に伝わりやすくなります。また、仲良くなりたい相手には近い距離感で話したり、大切なことを伝えたいときはゆっくりと大きな声で話したりすると、より気持ちが伝わりやすいでしょう。

信頼関係を築ける

ノンバーバルコミュニケーションは、信頼関係を築きたいときにも有効です。相手に安心感を与え話しやすい雰囲気を作れるため、信頼関係を築きやすくなります。例えば、目を見て話しをする、笑顔で相づちを打ちながら話を聞く、姿勢を正して真剣な表情で話すなど、相手への関心を態度で示すことで安心感を与えられます。

しぐさだけではなく、相手が好感や親近感を抱くような服装を意識することも大切です。特に顧客との商談では、清潔感のある身だしなみが重要。話すときの姿勢や受け答えのトーンも意識すると、より顧客の信頼感を得られやすくなるでしょう。採用面接などのシーンでも、相づちを打ちながら笑顔で受け答えをすると好印象を与えられます。

相手を理解できる

ノンバーバルコミュニケーションにより、言葉だけではわからない相手の考えや心理が読み取りやすくなり、相手を深く理解するのに役立ちます。例えば相手が「大丈夫」と言った場合、本心も言葉通りかは表情や声のトーンでわかります。また、「わかりました」と笑顔で言う場合と、暗い表情で言う場合とでは納得している度合いが違うものです。言葉の裏に隠れた感情に気が付くことで、相手への理解度が高まります。

ノンバーバルコミュニケーションの注意点

ノンバーバルコミュニケーションは無意識であったり、自分ではコントロールが難しかったりといった面も持ち合わせています。ノンバーバルコミュニケーションで気を付けるべきポイントも押さえておきましょう。

言葉と表情の不一致

ノンバーバルコミュニケーションで気を付けたいのが、言葉と表情の不一致です。相手は非言語情報を優先してしまうため、誤解を与える可能性があります。例えば相手を褒めようと言葉を発しても、怒った表情だと不信感を与えることがあります。  

文化の違い

コミュニティや文化の違いにより、誤解をまねくようなジェスチャーにも注意しましょう。自分にとっては問題のないジェスチャーでも、特定の文化においては無礼な意味になることがあります。相手に与える印象を考慮した上で、状況に合わせたコミュニケーションをとることが重要です。

メタバースでも重視されるノンバーバルコミュニケーション

オンラインコミュニケーションにおいても、ノンバーバルコミュニケーションの重要性が注目されています。特にノンバーバルコミュニケーションを重要視しているのがメタバース。バーチャル上でアバターを通したノンバーバルコミュニケーションがうまくとれれば、より「実在感」が増します。

メタバースを利用する際に、VRデバイスHMD(ヘッドマウントディスプレイ)とコントローラーを着用すると、映像や音声情報に加え、自分の動きをアバターに反映できます。これにより、メタバース空間でもノンバーバルコミュニケーションが可能です。

またビデオ機能で顔が見えるようにすれば、相手の表情から状況を読み取りながら会話を進められます。よりリアルに近いコミュニケーションがとれるため、濃密な人間関係を構築できるようになります。

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効果的なノンバーバルコミュニケーションで良好な関係構築を

人は無意識のうちに、言葉からなる言語情報だけではなく、視覚・聴覚などから入る非言語情報によるノンバーバルコミュニケーションを使用しています。ノンバーバルコミュニケーションは、言葉の補完や信頼関係の構築、相手への理解を深める面において効果があります。またノンバーバルコミュニケーションがデジタル化されれば、メタバース上でもよりリアルなコミュニケーションが可能です。ノンバーバルコミュニケーションの利点を活かし、周囲との良好な関係構築に役立ててください。    

※記載の情報は、2023年4月時点の内容です。    

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