2023年11月2日 更新

リスキリングで学ぶべきスキルとおすすめ資格6選|DX時代に求められる人材とは

社会や産業の変化に適用するために必要なスキルを習得する、リスキリング。人材育成や業務効率化のため、リスキリングの仕組みを取り入れる企業も少なくなく、新たなスキルの習得は社会全体の課題となっています。特に注目されているのは、IT系のスキル。DX時代の今だからこそ学びたいスキルや、おすすめの資格を紹介します。

今、リスキリングが求められる理由

現在、社会全体を通してリスキリングの必要性が叫ばれています。なぜ今、リスキリングが求められているのか、その理由を解説します。

リスキリングの基本については、こちらの記事を参考にしてください。

リスキリングとは?DX推進により注目されている理由や導入するメリットを簡単解説

リスキリングとは、今後の業務の展望を踏まえ新しいスキルを習得することや、習得させるための取り組みのこと。DX化が推進されている現代において、…

DX推進を担う人材が不足しているため

業務効率化や働き方改革などを目的に国が主導で推進しているDXですが、実際にはDX推進を担う人材が圧倒的に不足しているようです。経済産業省によると、2030年には最大約79万人のデジタル人材が不足すると言われています。

企業が、業務効率化のために取り入れたデジタルツールを使いこなせる新たな人材を確保するのは、とても困難なこと。そのため、今いる人材が新たな知識やスキルを身につけるリスキリングが重視されるようになったのです。

政府が掲げる「新しい資本主義」実現のため

2022年10月、政府は 「成長と分配の好循環」と「コロナ後の新しい社会の開拓」を目的とする新しい資本主義の実現を目標に掲げ、「新しい資本主義実現本部」を設置しました。そのなかで、新しい資本主義の実現には、リスキリングが重要であるとの考えを示しています。

加えて、リスキリングのための支援制度を総合政策の中に盛り込むとも発表しています。このことから、リスキリングはさらに活発化して、企業も社員のリスキングをこれまで以上に支援するようになることが予想されます。

リスキリングで学ぶべきIT系のスキル

リスキリングで何を学ぶかに決まりはないため、どんな分野の知識を習得すれば良いか迷ってしまうこともあるかもしれません。今リスキリングに取り組むなら、DX時代にマッチしたデジタル系・IT系のスキル取得をおすすめします。リスキリングにおすすめのスキルをピックアップしました。

プログラミング

リスキリングにおすすめのスキルとしてまず挙げたいのは、プログラミングです。プログラミングは代表的なIT系スキルであり、学ぶことで新たなデジタル技術の仕組みを理解できるようになります。さらに、ロジカルシンキングや課題解決能力などの力も身につくでしょう。効率良く業務を遂行する力、トラブル時にスムーズに解決するスキルの習得にも役立ちます。

情報セキュリティ

DX推進において欠かせないのが、情報セキュリティに関するスキルです。これまでアナログで管理していた顧客情報などがデータ管理できることで、業務の効率化は図れます。しかし業務のデジタル化が進めば進むほど、外部からの攻撃を受けるリスクが高まるのも事実。

万が一攻撃を受けて情報漏洩が起これば、社会からの信用を一気に失うことになってしまいます。情報セキュリティのスキルをもつ社員は、企業にとって重宝する人材になり得るでしょう。

デジタルマーケティング

WebやSNSを使ったデジタルマーケティングは、特に注目されているスキルの1つです。スマホ、PC、タブレットなどデジタルツールが普及している現代において、インターネット上のユーザーの顧客心理を理解し行動を分析して活用できるスキルはとても重要です。

デジタルマーケティングについて学べば、従来の新聞広告やテレビなどのマーケティングとの違いを理解したり、ターゲット層にあわせてツールを使い分けたりするスキルを習得できます。効率的に収益を伸ばす能力も身につくはず。デジタルマーケティングのスキルを持っている人は、これからの時代に必要な人材になれるでしょう。

マネジメント

DX時代には、優れた人材をまとめられるマネジメントスキルも必要とされます。何かを作り出すスキルではありませんが、デジタル技術に関する知識は必須です。マネジメントには、最新のデジタル知識と管理スキルを同時に求められますが、企業として生産性を挙げていくためにはチームをまとめられる人材は不可欠と言えます。

リスキリングで取得したいおすすめ資格6選

効果的にリスキリングを行うなら、資格取得を目標の1つに設定する方法がおすすめです。資格試験を目標にすれば、ゴールが明確になりモチベーション維持につながります。また教材もそろっているため、すぐ取り組みをスタートできるの点もメリット。ここからは、リスキングで取得したいおすすめの資格を紹介します。

【プログラミング】基本情報技術者試験

知識の全くない人がプログラミングを学ぶなら、基本情報技術者試験がおすすめです。IPA 独立行政法人 情報処理推進機構が認定する国家資格で、IT業界で活躍する人材に必要な基本的知識やスキル、実践力が身につきます。

しっかりとITの基礎を学べるため、その後の応用力の幅が広がるでしょう。合格率は25%と難易度はやや高めです。さらに上を目指すなら、応用的なスキルが求められる応用情報技術者試験にステップアップしてみてください。

【プログラミング】VBAエキスパート

VBAとは、ExcelやAccessの機能を拡張することができるプログラミング言語のことで、これを扱えるスキルを証明するのが、VBAエキスパートです。VBAは業務の自動化やデータの一括処理、業務システムの開発などに使用されることが多い言語。

ExcelやAccessなど、Microsoft製品をメインに業務管理を行っている企業に重宝されやすい資格です。合格率は公表されていませんが、しっかり学習すれば十分合格を狙えるでしょう。

【プログラミング】Python 3 エンジニア認定基礎試験

汎用性の高いプログラミング言語Pythonに対するスキルを証明する資格です。Pythonは、初心者でも学びやすい言語と言われています。AI技術の開発言語に利用されている他、IoT分野、ビッグデータやさまざまなアプリケーションからの需要が急増しているため、今後益々注目が集まるでしょう。プログラミング入門としてもおすすめの資格です。合格率は8割で、難易度は高くないと言えます。

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【情報セキュリティ】情報セキュリティマネジメント試験

IPA主催の国家資格です。情報セキュリティマネジメントを計画、運用、評価,・改善し、組織の情報を脅威から守るスキルが身につきます。社内の電算部門に携わる人はもちろん、業種、職種を問わず、多くの現場で強く必要とされているスキルです。

合格率は50〜60%台で、他の情報処理技術者試験よりも合格率は高め。IT初心者〜中級者向けの資格です。

【マーケティング】ネットマーケティング検定

マーケティングのなかでも、特にWebに特化したSEOやSEM(検索エンジンマーケティング)の知識を得たい人におすすめの資格です。インターネットを利用した集客やプロモーション手法、ブランディングスキルが身につきます。2012年から実施されている、比較的新しい検定です。Webマーケティングを体系的、網羅的に学習できるのがメリット。比較的易しい検定で、合格率は70%程度です。

【マネジメント】プロジェクトマネージャー試験

システム開発などプロジェクトを成功させるための管理スキルが求められる試験です。国家資格であり、IPAが認定しています。スケジュールの調整や人員配置、予算管理、品質担保、リスクマネジメントなどの多方面のマネジメント力が求められると同時に、ITの専門知識も必要です。合格率は15%以下と難易度は高く、キャリアアップにも有効な資格です。

プロジェクトマネジメント(PM)の資格6選|取得のメリットや難易度も解説

プロジェクトマネジメント(PM)とは、プロジェクト成功に向けて計画・管理を行うこと。プロジェクトマネジメントのスキルや知識レベルを証明できる資格…

資格取得を目標にリスキリングでスキルアップしよう

将来を見据えて必要なスキルを取得するリスキリングは、DX時代を生き抜くために必要な取り組みの1つです。なかでも注目したいのは、プログラミングを始めとするIT系のスキル。スキルの種類は多岐におよぶので、自分の現在の業務と将来の展望を鑑みて、どんなスキルを身につければ良いのか考えてみてください。資格取得を活用すれば、効率良くスキルの習得ができるでしょう。

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